様々な人の想いが詰まった型押しコードバン。
一人でも多くの方に魅力をお伝えしたい!ということで、
今回は従来のコードバンとどう違うのか?使い方は?を紐解いていければと思います。
型押しコードバンの誕生秘話はこちら
https://kubera9981.jp/contents/cordovan-story/
まずはエイジングによる変化はあるのかないのか?
これは従来のコードバン同様にじっくりとエイジングしていきます。
そもそも使用しているコードバンは日本最高峰のレーデルオガワ社製のものであり染色による美しい表情はさすがです。
そして使用していくほどに深い艶が出てきてじっくりと色濃くなっていきます。
では従来のコードバンと変わらないのか?
コードバンに施した型押しは非常に細かいのに角度によって凹凸の見え方が変わって見えます。
使うほどに光沢が出てくるコードバンだからこそ型押しによる凹凸ができると陰影が強調されなんとも美しい表情に。
エイジングによる色の深みや艶が強調され従来よりもコードバンの美しい素材感をより感じることができます。
コードバンならではのエイジング。
使ってこそ感じる満足感。
この満足感を是非感じていただきたいです!
従来のコードバンを使用する時に気になるのが細かい擦り傷ではないでしょうか。
復元しないだけにそっと大切に扱いたくなり引っ掻き傷にはつい敏感になってしまい、
カバンに入れるときわざわざ袋に入れてしまう。という方や、
気にせず使われる方もおられるでしょうしケアを頻繁にしながら使われる方もおられるでしょう。
どうにもストレスは感じずにはいられないと思います。
ここでも型押しの良さが発揮されます。
型押しをすることで傷がつきにくく、目立ちにくいのです。
ツメで引っ掻いてしまったりカリカリやっても目立ちにくい。
ブログを書いている私自身は型押しコードバンのマルチカードケース(No.51086 グリーン:上写真)を使用しているのですが時々カリカリやって試しています。。笑
もちろんケアは多少しますが目立つような傷はなく綺麗な状態を保っています。
カバンにしまう時もポケットに携帯する時も扱いに余計な気を使う必要がない。
まるで違う革を扱っているかのようにあまりストレスを感じることがないのです。
これはかなりのメリットではないでしょうか。
従来のコードバンで心配なのが水濡れによる膨れ。
気づかないうちにどこかで水を含んでぷくっと膨れ上がったように見えた経験がある方もおられるのではないでしょうか?
そのまま放置してしまっては完全な状態には復元するのが難しくなるので結構ショックですよね。
これもコードバンの製品を使用する上で気を使うことのひとつ。
そもそもコードバンの水濡れによる膨れができるのは線維が起き上げってしまうことで起こる現象。
これもまた改善するのが「型押し」の魅力。
型押しというのは凹凸を刻印した金属面を熱と圧力を加えて模様を付ける加工。
つまり素材の表面の線維が起き上がる心配はほぼなく、
万が一水に濡れても従来のコードバンのように膨れたように見えることがないのです。
(※ただ水に濡れてシミが残る場合がありますのでそんな時は以下の方法を。)
1. 革表面の水分を乾いた布で拭き取る
2. 濡れた布orタオルでシミ周辺を濡らす
3. 自然乾燥させる
4. レザー用クリームを塗る
膨れたようにならないのは②のキズに強くなる理由でもあります。
キズは擦れや引っ掻きによって表面が毛羽立ち荒れてくることで目立つものです。
型押しによってそういった線維の起き上がりや毛羽立ちが起こることがほぼなくなるため使用する上で今までのように気を使う必要がないのです。
ケアは定期的に乾拭きを続けるだけで十分すぎるほどの艶と深みを味わえます。
つまりはこれまで当たり前だったデメリットを解消し『型押し』という手法で生み出した、
コードバンの新しい価値観なのです。
コードバンを使ってみたいけど扱いが難しそうだと感じている方。
従来のコードバンをしっかりケアして気をつけながら使っている方にも是非一度見ていただきたいです。
KUBERA9981の型押しコードバンいかがでしょうか。
オフィシャルオンラインストア
https://hayashigo-store.com/collections/kubera9981-cordovan9981
「コードバン」と聞くとどんなイメージをお持ちですか?
他のどの素材にもない独特な深みのあるツヤに心が揺さぶられる。
一度は使ってみたいと思わせるステータスのようなものを感じる。
希少性の高い高級素材の代名詞ともいうべき素材のひとつ。
そんな憧れのコードバン。
誰もが思い浮かべるのは滑らかでツルッとした表面のものでしょう。
ですがKUBERA9981で使用しているコードバンは型押しを施したもの。
誰もが最初はコードバンであると思わずに驚きます。
それもそのはずでほとんどの方が「型押し」なんて想像もしていないから。
ではなぜコードバンに型押しをしようと思ったのか。
そこにはデザイナーの想いがこれでもかと詰まっているのです。
まずコードバンを使用したことがある方ならわかると思いますが扱う上でなかなかに気を使います。
・目立つ傷
・水濡れによる膨れ
・磨かないと曇る光沢感
素材の特性上キズや水といった耐性の弱さが語られることが多いコードバン。
自分でケアをしながら使用するのとなにもせず使い込むのとでは年数が経つほどに状態の差が出ます。専用クリームを使ったケアでなくとも定期的に乾拭きをするだけでも変わってくるのです。
定期的に注意深くお手入れをしている方は果たしてどれだけの方がいるでしょうか。
お店に持ち込んでお任せしている方もいるかと思います。
そんな扱いが難しい素材。
物理的なデメリットと心理的なデメリットを解消するコードバンを作れないだろうか?
これがコードバンに型押しを施すことを思いついたきっかけでした。
KUBERA9981で使用しているコードバンはレーデルオガワ社製のものです。
染色や仕上げなど世界に誇れるものだけにより憧れも強い。
使用しているブランドも誰もが知っているブランドばかり。
どのブランドもレーデルオガワにある、状態が良い、できるだけ大判のものを求める。
素材そのもののサイズ自体が大きくないだけに歩留まりの悪さが気になるから。
例えば長財布2つ分取れないもの、
真ん中に傷が入ってしまっているものは欲しくない。
ではそういったコードバンはどうなっているのか?
レーデルオガワ社ではそのまま使用されることなく倉庫の隅に保管されていました。
思うような大きさがなかったり製品として取りたい場所に小さな傷があるため使いづらいだけ。
もちろん状態に問題はない。
デザイナーはそこに目を付けました。
素材のクオリティはどう見ても一級品なのに使用されないままなのは大きな損失。
傷の部分は製品に使えないから不効率かもしれないが、
多少大きさを制限されても製品化するために使用したい。
この出来上がったコードバンは世に出してこそ価値がある!と。
そこで全てのデメリットを解消するにはどうすればいいか考えに考え、
導き出したのが「型押し」という手法でした。
型押しは扱いの難しさの解消と生産に伴う効率の悪さの解消につながる。
こうして実現に向けてさらに思いが膨らみ動き出しました。
実際のところコードバンの職人も非常にデリケートな素材なだけに毎日相当気を使っているそうです。
それこそ牛革などの製造より3~4倍も時間がかかるのです。
案の定最初は型押しを依頼した東京向島にある型屋の職人にもことごとく嫌がられました。
しかし製品化したい思いを伝え頼みこんでやってもらったところまだ改良の余地はあれどなんとかできそうという感じでした。
そこからは俄然やる気も出てきて膨大な量の型サンプルを初めから見ていくと1940年代くらいからありとてつもない数。
それだけ歴史の古い型屋であり技術的にも任せて間違いがないと確信しました。
そして1980~90年代あたりまできた時に当時人気のあった型の模様を発見。
それはとても品があり時代を感じさせないオーセンティックなもので、
コードバンといういつの時代も憧れの的である素材とも相性は抜群に思えたのです。
これだ!
その後も試行錯誤して完成したのがKUBERA9981で使用している型押しコードバンです。
型押しを施すことで従来のコードバンの概念を変えたいと思っているわけではなく、
手作業や伝統的なものは残していく必要があり変えるべきではない。
ただより多くの方にもっと身近に感じてもらえるようになれば、と。
携わっている人たちの想いが詰まった想像以上の出来をひとりでも多くの方に見て触れていただきたく思っています。
ぜひ、オンラインストアでご覧くださいませ。