多くの方を魅了するコードバン。
他の革にはない独特な艶や輝きに、心奪われる方も多いことでしょう。
使用するほどに増す変化が、ひとりひとり違いがあるのも魅力です。
少しずつ手入れをしながら、長く使い込みたい気持ちにさせてくれる素材「コードバン」。KUBERA9981では二種類のコードバン をご用意しています。
平滑でソフトな触り心地と、色合いの妙を最大限に感じられる「コードバン -オーセンティック-」。
擦り傷に強く、凹凸による陰影を感じられる型押しを施したオリジナルコードバン「コードバン -9981-」。
コードバンのメリットもデメリットも最大限に感じていただくための二種類。
今回はそれぞれの経年変化を踏まえてご紹介いたします。
その前に、まずは使用しているコードバンについて。
日本産レーデルオガワ社製のコードバンを使用しており、発色の良さや仕上がりの麗しさが多くの方の心を掴んでいます。
コードバン専門の門外不出である染色は、熟練の職人が手作業でひとつひとつ仕上げることでできるもの。
扱いの難しい繊細な素材だからこそ、じっくりと時間をかけ丁寧に作られています。
そのレーデルオガワ社製のコードバンを、二種類満喫していただけます。
加工は違っても素材そのものの魅力は変わりません。
その美しさにはやはり特別感があります。
実際に使ってみたエイジングの違いをご覧ください。
使用年数:約半年
使用目的:メイン財布
使用状況:鞄やパンツのポケットに入れて持ち歩く
収納枚数:カード10枚、お札5〜10枚、小銭、レシート
お手入れ:2ヶ月に1回クリーム塗り
使用しているのはNo.51113 L字ファスナースマートウォレット(キャメル)。
使用年数:約半年
使用目的:仕事中のサブ財布
使用状況:常にジャケットの内ポケットに入れて持ち歩く
収納枚数:カード4枚、お札3〜4枚、小銭、小さなロッカーの鍵、コーヒーチケットなど
お手入れ:定期的に乾拭き
使用しているのはNo.51090 L字ファスナースマートウォレット(ネイビー)。
サブ財布として使用しているため、仕事の休憩時や食事の時にこれひとつで済ませられるようにしています。
そのため、必要最低限の収納にしており、内ポケットの膨らみはほとんど気になりません。
常に持ち歩いているものだからこそ、外見にも気にならないのが使いやすいポイントです。
型押しになっていることで、細かい擦り傷もほとんどなく、
表面の艶が増したことで、光沢感をより強く感じられるように変化しています。
少し色の深みも増してはいますが、もともと濃いネイビーであるため極端な変化ではありません。
お手入れは時々柔らかいクロスで乾拭きをしているだけで、コードバンクリームは使用していません。
以上、二種類それぞれのL字ファスナースマートウォレットのエイジングを紹介させていただきました。
年数を経るほどに、使い方による違いも出てきますし、色によっても変化の違いがあります。
100人100色のコードバンになっていくエイジング。
ぜひ実際にお使いになって、素材の特徴を楽しんでください。
「機械の手に余る」染色技術レーデルオガワの工房を訪ねた
https://kubera9981.jp/feature/leder-ogawa/
タブーを超えて「型押しのコードバン」に託したものは
https://kubera9981.jp/feature/cordovan-interview/
https://www.hayashigo-store.com/brand/kubera_basic/cordovan_all
食肉の副産物として使用される皮革は牛や豚などの哺乳動物が馴染み深い。
しかし日本では古くから水産資源として利用されていた魚類があります。
それが「鮫」。
見たり聞いたり思い浮かぶ生物ではあるけれど・・・。
一体どこでどのように活用されているのか。
現在鮫の水揚げ日本一なのは宮城県の北東端に位置する気仙沼市です。
世界三大漁場と呼ばれる三陸沖での沖合漁業や水産加工など幅広い水産業が栄えている地域。
市内にいくつかある漁港の中でも気仙沼漁港は日本国内で水産業の振興のために特に重要と定められた13港の中のひとつ。
そもそもはマグロやメカジキを漁獲する延縄(はえなわ)漁というのが盛んでそれらと一緒に鮫が漁獲できたことから現在は鮫漁も盛んで国内の水揚げ量80%を占めると言われています。
そんな鮫漁で獲れるのがヨシキリザメ。
ではどのように活用されているのでしょうか?
まず身はかまぼこやはんぺんなどの練製品の原料となり骨はサプリメントなどの原料となります。
最近ではすり身以外にも柔らかな身肉として商品化されているものもあります。
ひれもフカヒレとして活用されており製造は江戸時代末期の頃からされていたそうです。
そして皮は皮革製品や医薬原料となり余すところなく活用される。
ただ皮革製品の流通は思ったより多くないように感じませんか?
それは希少性や製造にその理由はあります。
鮫は世界中に500種以上いると言われている中で「鮫革」として使用できるのは約20種です。
ヨシキリザメもその中の一種。
過去に飼育できた例がほとんどなく養殖はされていません。
気性が荒く自ら傷をつけてしまうことも多くそれが原因で死亡してしまうこともあります。
通常交尾期以外は雌雄は離れていて生殖方法は胎生と言われるものでいわゆる子供を産むことで個体を増やす。
一度の繁殖で平均30匹ほどと言われているので生態数が多くないのも想像できます。
成体になるまでにも4~6年ほどを要するためこのことからも希少性が伺えます。
つまりそもそも革製品に使用できる鮫は天然のものであり使用できる種類も少ないためあまり流通していないのです。
さらに鮫の皮を鞣して「鮫革」にできるタンナーも多くありません。
その工程がとても難しくできるところが少ないという方が正解でしょう。
ヨシキリザメは成体になると2~3メートルほどになります。
体が大きいため革製品に使用できる部分も多そうですが実はそんなこともありません。
気性が荒いと書きましたがそれが理由で鞣すことができても綺麗な部分はそれほど多くない。
つまり鞣して革にできるタンナーが少なく、できても使用できる革の部分が少ないため希少となるのです。
こういったいくつもの理由から「鮫革」は流通の少ない希少な革にならざるを得ないわけです。
KUBERA 9981で使用している「鮫革」は日本産のものです。
気仙沼港で水揚げされ古くから日本人にも馴染みがあった素材。
希少で難しいながらも日本国内で仕上げられる素材。
それを日本の革職人が製品化して知ったいただくことに価値がある。
ものの作りを一番に考えるKUBERA 9981としては選ばない理由がない素材。
革の表面は細かく連続した網目状の凹凸感があります。
手触りは哺乳動物の感触とは違った独特な趣があります。
男らしさを感じるような見た目の表情とザラついているようで手に取ると感じる滑らかさ。
使用するほどに増す艶がさらに唯一無二の存在感になっていきます。
特別な一品になる「鮫革」の製品。
ぜひ堪能してください。
<常設店舗>
西武池袋本店 5階中央ゾーンB6 紳士雑貨売り場
東京都豊島区南池袋1-28-1 TEL:03-5949-2449(売り場直通)
大丸梅田店 8階 紳士雑貨売場
大阪府大阪市北区梅田3-1-1 TEL:06-6343-1231(大代表)
インスタグラム (POP UP STORE情報はこちらから)
https://www.instagram.com/kubera9981_basic/
オフィシャルオンラインストア
https://hayashigo-store.com/collections/kubera9981-shark
雑誌MonoMaxで一年に一度業界内のエキスパートが揃って様々な角度から評価をして優秀賞を決める好評企画。
その中のラウンドジップ長財布部門でKUBERA 9981の型押しコードバンのラウンドウォレット(No.51082)が最優秀賞をいただきました!
素材もさることながらしっかりとした作りや使い勝手を評価されての受賞がKUBERA 9981のもの作りに対する思いと重なり非常にありがたく思っています。
ありそうでないデザインと見えないところにこそこだわった理由など見て聞いたら納得な型押しコードバンのラウンドウォレットをご紹介したいと思います。
KUBERA 9981の型押しコードバンのラウンドウォレットで推したいポイントは内装の作りです。
コードバンの型押しを苦労して作り上げたことじゃないの?
そう思っていただいた方ありがとうございます。
おそらく以前のブログを読んでいただいている方でしたらきっとそう思われますよね。
まだ読まれていない方は後ほどぜひそちらの記事も読んでみてくださいませ。
(リンクは一番下にあります)
もちろん外装の「型押しコードバン」は美しく他にはない特別なものです。
外装を気に入っていただけて、
選んでいただくからには長くご愛用いただきたい、当然中身も手を抜いてはいけない。
見た目の美しさは内面を磨き上げてこそ滲み出てくるものということです。
お財布は毎日使うものであり大切なお金をしまうもの。
そんな大切なものである以上使いやすさ以外にも安心して使い続けられることも重要なポイントになります。
だからこそかなりの手間をかけてでも内装にこだわっているのです。
内装にはインド産のカーフを使用しています。
カードや小銭を出し入れするので硬すぎず柔らかさのあるカーフは使いやすさも格段に上がります。
生地をコンビで使用せずフルレザーで作っているため破れたり破損の心配につながる箇所が少ない。
さらに例えば小銭入れの内側などを見ていただくとわかりやすいのですが両面表であると気づいていただけると思います。
そうです、実は二枚貼り合わせているんです。
一枚革でも良いところをわざわざ二枚使用している。
他の部分もぜひじっくりと見ていただきたいこの内装の作り。
言うまでもなく強度が増すことで安心して長く使えるし高級感が出て外装の素材を引き立てます。
実際に使用している内装のカーフは女性のハンドバックひとつ分くらいの量になるので結構驚きですよね。
いかがでしょうか?
他の財布と内装を見比べてみたくなりませんか?
そしてこの型押しコードバンのラウンドウォレットの収納力を支えるもうひとつ大事なパーツがあります。
それがファスナー。
一般的なラウンドファスナーの長財布に使用されているのは5mmのものです。
これはどのブランドでも基本同じなので想像しやすいでしょう。
今までに膨らみすぎてファスナーの代布が歪んだり全体がいびつになってしまったことはありませんか?
ファスナーで閉じれるからといって収納をし過ぎては負荷がかかり従来の形状を保てません。
ですからたくさん収納したくてもなかなか理想のサイズや作りの財布を見つけるのに苦労していた方もおられると思います。
付け足すと、ただ収納できるだけではなく綺麗にすっきりと収まる作りでしょうか。
そのためにKUBERA 9981型押しコードバンのラウンドファスナーウォレットでは21mmの代布に8mmのYKK社エクセラを特注して使用しています。
見比べてもらえるとよくわかる幅の違いが収納力の違いになります。
これも収納に困ることなく安心して使ってもらいたいからです。
この辺りは日本人が作るブランドの財布ならではかもしれませんね。
仕上がったものの美しさ以上に作りや使い方に重きを置いたもの作りをする。
気に入ったものなら長く使いたいと思えばこそ嬉しい限りですよね。
だからと言って見た目の仕上げも抜かりありません。
コバの部分を見ていただけると感じてもらえると思いますが非常に丁寧で重厚感のある仕上げになっています。
染料系は調合が合わないと油分が合わず捲れてしまうことがあるので相性を考えて調合しないといけません。
そしてコバ塗りを何度も何度も繰り返しやっと仕上がるのです。
内装のカーフと特注のファスナーにはストレスを感じることなく安心して使っていただきたい思いが。
型押しコードバンとコバ塗りには完成させた職人さんたちの思いが。
そうして出来上がったのがKUBERA 9981型押しコードバンのラウンドウォレット(No.51082)なんです。
えっと、型押しコードバンの良さは・・・。
尽きることがありませんので最後にもう一度。
最優秀賞ありがとうございます!
ひとりでも多くの方に見ていただきたい財布です。
たくさんの方の思いが詰まった「型押しコードバンが生まれた理由」はこちら。
<常設店舗>
西武池袋本店 5階中央ゾーンB6 紳士雑貨売り場
東京都豊島区南池袋1-28-1 TEL:03-5949-2449(売り場直通)
大丸梅田店 8階 紳士雑貨売場
大阪府大阪市北区梅田3-1-1 TEL:06-6343-1231(大代表)
POP UP STORE情報はこちらから
https://www.instagram.com/kubera9981_basic/
オフィシャルオンラインストア
https://hayashigo-store.com/collections/kubera9981-cordovan9981
様々な人の想いが詰まった型押しコードバン。
一人でも多くの方に魅力をお伝えしたい!ということで、
今回は従来のコードバンとどう違うのか?使い方は?を紐解いていければと思います。
型押しコードバンの誕生秘話はこちら
https://kubera9981.jp/contents/cordovan-story/
まずはエイジングによる変化はあるのかないのか?
これは従来のコードバン同様にじっくりとエイジングしていきます。
そもそも使用しているコードバンは日本最高峰のレーデルオガワ社製のものであり染色による美しい表情はさすがです。
そして使用していくほどに深い艶が出てきてじっくりと色濃くなっていきます。
では従来のコードバンと変わらないのか?
コードバンに施した型押しは非常に細かいのに角度によって凹凸の見え方が変わって見えます。
使うほどに光沢が出てくるコードバンだからこそ型押しによる凹凸ができると陰影が強調されなんとも美しい表情に。
エイジングによる色の深みや艶が強調され従来よりもコードバンの美しい素材感をより感じることができます。
コードバンならではのエイジング。
使ってこそ感じる満足感。
この満足感を是非感じていただきたいです!
従来のコードバンを使用する時に気になるのが細かい擦り傷ではないでしょうか。
復元しないだけにそっと大切に扱いたくなり引っ掻き傷にはつい敏感になってしまい、
カバンに入れるときわざわざ袋に入れてしまう。という方や、
気にせず使われる方もおられるでしょうしケアを頻繁にしながら使われる方もおられるでしょう。
どうにもストレスは感じずにはいられないと思います。
ここでも型押しの良さが発揮されます。
型押しをすることで傷がつきにくく、目立ちにくいのです。
ツメで引っ掻いてしまったりカリカリやっても目立ちにくい。
ブログを書いている私自身は型押しコードバンのマルチカードケース(No.51086 グリーン:上写真)を使用しているのですが時々カリカリやって試しています。。笑
もちろんケアは多少しますが目立つような傷はなく綺麗な状態を保っています。
カバンにしまう時もポケットに携帯する時も扱いに余計な気を使う必要がない。
まるで違う革を扱っているかのようにあまりストレスを感じることがないのです。
これはかなりのメリットではないでしょうか。
従来のコードバンで心配なのが水濡れによる膨れ。
気づかないうちにどこかで水を含んでぷくっと膨れ上がったように見えた経験がある方もおられるのではないでしょうか?
そのまま放置してしまっては完全な状態には復元するのが難しくなるので結構ショックですよね。
これもコードバンの製品を使用する上で気を使うことのひとつ。
そもそもコードバンの水濡れによる膨れができるのは線維が起き上げってしまうことで起こる現象。
これもまた改善するのが「型押し」の魅力。
型押しというのは凹凸を刻印した金属面を熱と圧力を加えて模様を付ける加工。
つまり素材の表面の線維が起き上がる心配はほぼなく、
万が一水に濡れても従来のコードバンのように膨れたように見えることがないのです。
(※ただ水に濡れてシミが残る場合がありますのでそんな時は以下の方法を。)
1. 革表面の水分を乾いた布で拭き取る
2. 濡れた布orタオルでシミ周辺を濡らす
3. 自然乾燥させる
4. レザー用クリームを塗る
膨れたようにならないのは②のキズに強くなる理由でもあります。
キズは擦れや引っ掻きによって表面が毛羽立ち荒れてくることで目立つものです。
型押しによってそういった線維の起き上がりや毛羽立ちが起こることがほぼなくなるため使用する上で今までのように気を使う必要がないのです。
ケアは定期的に乾拭きを続けるだけで十分すぎるほどの艶と深みを味わえます。
つまりはこれまで当たり前だったデメリットを解消し『型押し』という手法で生み出した、
コードバンの新しい価値観なのです。
コードバンを使ってみたいけど扱いが難しそうだと感じている方。
従来のコードバンをしっかりケアして気をつけながら使っている方にも是非一度見ていただきたいです。
KUBERA9981の型押しコードバンいかがでしょうか。
オフィシャルオンラインストア
https://hayashigo-store.com/collections/kubera9981-cordovan9981
おうち時間、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
仕事をしたり、音楽を聞いたり、映画を見たり、お子様と遊んだり、、
たまには近所をお散歩したくなったり、、
天気が良い日は外の空気が恋しくなります。。
近所をぶらっと、におすすめのものを今回はペールトーンラバーのアイテムでご紹介します。
ふんわりした独特の手触りとキメの細かい本革を使用した2way shoulder wallet。
革のデメリットでもある水やキズにも強い仕様になっています。
フロントのポケットにはスマホやリップなどすぐ取り出したいものを。
ストラップの肩にかかる部分は、洋服を痛めないようラバー素材にしています。
ゴールドのチェーンが上品な印象に。
中はマチを広くとった蛇腹式で、取り出しやすく大容量。
ハンカチやティッシュなども入れたり。
ストラップを外せばクラッチになって、パーティーや結婚式にもおすすめです。
手持ちはストラップ(チェーン)を付けててもかわいいです。
ちょっとの外出でもおしゃれを楽しみたい!ですよね。
是非ご覧くださいませー!
KUBERA 9981 Hybrid series
『PALE TONE RUBBER』
51486 2way shoulder wallet -pink-
https://www.hayashigo-store.com/item/51486
春本番になりお散歩が気持ちいい季節になりました。
今は外出もしづらいですが、ちょっと家の近くをお散歩して息抜きしたい。
そんな時におすすめのアイテムをご紹介します。
透明感のあるエナメルのネオンカラーが気分を上げてくれる2way shouleder wallet。
この春発売の新素材『ENAMEL NEON』です。
本エナメルで仕上げたオリジナルレザーは、上品な印象があります。
フロントポケットには、スマホやリップ、
バームやミラーなどすぐ取り出しやすいものを。
中は文句なしの収納力でガバッと開く蛇腹仕様。
中のものが取り出しやすいです。
カードをパンパンに入れて、お札、ハンカチやスマホを入れても形が崩れません!
ジップは止水ファスナーを使用しているので、急な雨にも安心。
是非お試しくださいませ。
KUBERA 9981 Hybrid series
『ENAMEL NEON』
51462 2way shoulder wallet -pink-
「コードバン」と聞くとどんなイメージをお持ちですか?
他のどの素材にもない独特な深みのあるツヤに心が揺さぶられる。
一度は使ってみたいと思わせるステータスのようなものを感じる。
希少性の高い高級素材の代名詞ともいうべき素材のひとつ。
そんな憧れのコードバン。
誰もが思い浮かべるのは滑らかでツルッとした表面のものでしょう。
ですがKUBERA9981で使用しているコードバンは型押しを施したもの。
誰もが最初はコードバンであると思わずに驚きます。
それもそのはずでほとんどの方が「型押し」なんて想像もしていないから。
ではなぜコードバンに型押しをしようと思ったのか。
そこにはデザイナーの想いがこれでもかと詰まっているのです。
まずコードバンを使用したことがある方ならわかると思いますが扱う上でなかなかに気を使います。
・目立つ傷
・水濡れによる膨れ
・磨かないと曇る光沢感
素材の特性上キズや水といった耐性の弱さが語られることが多いコードバン。
自分でケアをしながら使用するのとなにもせず使い込むのとでは年数が経つほどに状態の差が出ます。専用クリームを使ったケアでなくとも定期的に乾拭きをするだけでも変わってくるのです。
定期的に注意深くお手入れをしている方は果たしてどれだけの方がいるでしょうか。
お店に持ち込んでお任せしている方もいるかと思います。
そんな扱いが難しい素材。
物理的なデメリットと心理的なデメリットを解消するコードバンを作れないだろうか?
これがコードバンに型押しを施すことを思いついたきっかけでした。
KUBERA9981で使用しているコードバンはレーデルオガワ社製のものです。
染色や仕上げなど世界に誇れるものだけにより憧れも強い。
使用しているブランドも誰もが知っているブランドばかり。
どのブランドもレーデルオガワにある、状態が良い、できるだけ大判のものを求める。
素材そのもののサイズ自体が大きくないだけに歩留まりの悪さが気になるから。
例えば長財布2つ分取れないもの、
真ん中に傷が入ってしまっているものは欲しくない。
ではそういったコードバンはどうなっているのか?
レーデルオガワ社ではそのまま使用されることなく倉庫の隅に保管されていました。
思うような大きさがなかったり製品として取りたい場所に小さな傷があるため使いづらいだけ。
もちろん状態に問題はない。
デザイナーはそこに目を付けました。
素材のクオリティはどう見ても一級品なのに使用されないままなのは大きな損失。
傷の部分は製品に使えないから不効率かもしれないが、
多少大きさを制限されても製品化するために使用したい。
この出来上がったコードバンは世に出してこそ価値がある!と。
そこで全てのデメリットを解消するにはどうすればいいか考えに考え、
導き出したのが「型押し」という手法でした。
型押しは扱いの難しさの解消と生産に伴う効率の悪さの解消につながる。
こうして実現に向けてさらに思いが膨らみ動き出しました。
実際のところコードバンの職人も非常にデリケートな素材なだけに毎日相当気を使っているそうです。
それこそ牛革などの製造より3~4倍も時間がかかるのです。
案の定最初は型押しを依頼した東京向島にある型屋の職人にもことごとく嫌がられました。
しかし製品化したい思いを伝え頼みこんでやってもらったところまだ改良の余地はあれどなんとかできそうという感じでした。
そこからは俄然やる気も出てきて膨大な量の型サンプルを初めから見ていくと1940年代くらいからありとてつもない数。
それだけ歴史の古い型屋であり技術的にも任せて間違いがないと確信しました。
そして1980~90年代あたりまできた時に当時人気のあった型の模様を発見。
それはとても品があり時代を感じさせないオーセンティックなもので、
コードバンといういつの時代も憧れの的である素材とも相性は抜群に思えたのです。
これだ!
その後も試行錯誤して完成したのがKUBERA9981で使用している型押しコードバンです。
型押しを施すことで従来のコードバンの概念を変えたいと思っているわけではなく、
手作業や伝統的なものは残していく必要があり変えるべきではない。
ただより多くの方にもっと身近に感じてもらえるようになれば、と。
携わっている人たちの想いが詰まった想像以上の出来をひとりでも多くの方に見て触れていただきたく思っています。
ぜひ、オンラインストアでご覧くださいませ。